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The Lighthouses - 11.3 PROJECT
2011

Wood
Video documentation of an action: 06m 25s
Printed documentation on wood
東日本大震災後の福島・いわき。避難所への生活物資の支給や炊き出し、壊滅地域での瓦礫撤去のサポートをするかたわらで、津波で流されてしまった家屋の瓦礫から木材を収集した。地域の人々との交渉をかさね、家を失ってしまった家主たちから木材を託してもらった。半年間かけて集められたその大量の木材を使い、同じく震災によって消灯してしまった地域のシンボル・塩屋埼灯台をモデルに構造体を制作。そして11/3(文化の日)、仮設住宅に避難していた被災者たちや支援活動を続けていたボランティアたち、地域の自治体やその住人など、およそ500人の参加者でその構造体をロープで引っぱり起こした。

震災で何を失ってしまったかによって、私たちが見る風景は3/11を境にまるでズレてしまった。家族や家、同僚や仕事、友人をいっぺんに失ってしまった人たちを眼の前にして、私は言葉をつまらせてしまう。このプロジェクトの核心は、そうした震災の体験による私たちの主観の溝を認めながらも、新たな集団体験の場を設定し、そこで私たちが何をシェアできる/できないのかを問いていくことである。津波になぎ倒されてしまった家屋の瓦礫木材は、その家主たちが震災によって喪失してしまったものの重みを示す一方で、それを託し/託されるという被災者と私の関係をつないだ媒介物でもある。